詰替後、インクがでないトラブルについて


 インクを詰め替えて、ICを初期化して取り付けたが、インクが出ないという苦情がありました。
調査しましたところ、次のことがわかりましたので参考にしてください。
 なお、印刷回数が多ければ多いほど、インクがヘッドに詰まるトラブルは起きません。


改善方法
 ノズルチェックパターンを印刷したとき、正常に印刷できなければ、ヘッドクリーニングを行います。
1〜2回ヘッドクリーニングをしても、改善されない場合は、一度カートリッジをはずして、再度取り付けてください。
通常のヘッドクリーニングよりも強力にインクの送り込みをします。(インクが減るのであまり多用しないように。)

これでも改善されない・・・・
 インクの詰め替え時に、空気が混入してしまったため、うまくインクがだないと考えられます。
カートリッジの分解図で説明します。

 インクの通り道 

インクが出るまでには、複雑な経路をたどります。
まず、タンク全体にたまったインクは、細い通路を通って、@のインクフィルターを通り、裏側を通って、Aの三角の溝に出てきます。
次に、円形タンクの切れ目から入ったインクは、中心の円形タンクの2つの穴より入り、裏側の通路を通ってDのインク出口まできます。

 ここで注意したいのは、@のインクフィルターは、インクのタンクからみると高い位置にあります。ここをインクが通るためには、サイフォン作用によって、Dから出るインクの力で、@のインクフィルターまでインクを引き上げていることになります。そのため、複雑な経路になっています。

 サイフォン作用により、インクを補充しているということは、途中の経路に空気が入ると、インクがとぎれてしまうことになります。

 
 インクが出ない原因を考えてみましょう。


  経路の途中に空気が入っていると、サイフォン作用が成立しません。これが原因の一つです。
インクを補充するときに、空気が抜けない場所がいくつかあります。

まず、Cの裏側には、逆流防止弁があり、Dのインクの出口からは、インクを補充できないようになっています。Cから、Dの間には逆流防止弁があるため、空気が抜けにくくなっています。また、Cの中央円形タンクは、インクフィルタを通ってインクが補充されることや、ここまでの経路が複雑なこともあり、空気が抜けにくいと考えられます。


 なぜ空気が入るの・・・

 通常、インク切れの状態となっても、3分の1程度はインクが残っています。このインクは、DCBの場所に集中します。空気が抜けにくい位置には、通常、残ったインクが詰まっているということになります。

 しかし、インクを補充したとき、満タンにならないまま、ICを初期化し、使用すると、カートリッジ内のインクを使い切ってしまいます。このため、次にインクを補充しても、逆流防止弁やフィルターに空気たまり、空気が抜けません。
 空気を抜く方法(うまくいかないことが多いですが参考までに)

 図のように、注射器を2本使います。
まず、カートリッジのインクを満タンに補充します。そして、注射器も、インクを満タンにします。
次に、インク出口に、空の注射器を差し込みます。出口のシリコンゴムの大きさと注射器の先はぴったり合いますので、ただ押し込めば密閉されます。

 注射器を上にして、空の注射器のピストンを素早く引きますと、インクとともに、カートリッジ内に入っていた空気が泡となって注射器に入ってきます。
同時に、もう片方の注射器のインクが、カートリッジ内に入っていきます。

泡が出なくなるまで繰り返せは、カートリッジ内の空気は完全に抜けます。

参考
・注射器の滑りが悪いと、自然にインクが入っていきません。
 抜き取った分量だけインクを押し込みましょう。
・注射器の位置は、はカートリッジより上にしてください。
・一度で空気が抜けないときは、注射器を入れ替えてもう一度。
・インク出口の注射器は、少し回転させるようにして抜きましょう。
 シリコンゴムが注射器にくっついてきてしまうことがあります。


 空気抜きをしても、インクが全く出ない場合は、新しいカートリッジをお使いになることをお勧めします。
繰り返しカートリッジを使って頂くためにも、早めのインク補充と満タン補充をお願いします。


別の原因


 インクが出ない原因のもう一つとして、空気が入ってこないことが考えられます。
インクカートリッジは、密閉されているため、空気が入ってこないと、インクが出て行きません。

インクカートリッジの青いラベルをはがすと下の写真のようになっています。


空気弁と書いてある部分を押しますと、弁が開き、空気がカートリッジ内に入ります。最初の分解図でわかるように、通常は板バネで押さえられているため、弁は閉まっています。プリンタにセットされますとこの部分が押され、空気孔が開きますので、空気が入り、インクが出るようになります。

空気は、上部の空気取り入れ口から、細い迷路のような空気の通路を通り、空気フィルターに達します。フィルターを通過した空気は、空気弁(奥にキノコ型の弁がある)を通ってカートリッジ内に入ります。

空気の通路は、非常に細く、ヘアピンが続く通路で、小さなほこりが入ると詰まる可能性があります。
また、インクが逆流し、空気フィルターを通って、この空気の通路で固まることがあるかもしれません。

対処方法

まず、インクを満タンに補充します。
次に、インクの出口に空の注射器を差し込みます。
ピストンを5ccほど引いてください。インクが注射器の中に少し入ります。
この状態で、空気弁の部分を爪楊枝(ツマヨウジ)の頭などで押してください。
「シュッ」と音がして、勢いよくカートリッジ内に空気が入ります。

空気の通路をふさいでいたゴミが一気に空気フィルターの部分まで移動して、空気が通るようになります。


 まだ別の原因もあるかもしれません。どうしても、インクの出が悪い場合は、カートリッジを新品と交換するしかないかもしれません。
空気抜きは、空気が抜けきらないことがあります。この場合は、インクは全く出ません。
カートリッジを新品と交換して、2〜3回ヘッドクリーニングをすると、正常に印刷できる場合は、ヘッドのインク詰まりではありません。
ヘッドにインクが詰まると、新品のカートリッジに交換しても、解消されません。

32:系のカートリッジも構造はほとんど同じです。

空気抜きを実施しても、うまくいかないことが多いカートリッジです。

空気がインク通路に入り込み、印刷できなくなったカートリッジは交換をお勧めします。


追伸

 写真印刷で色合いがおかしくなり、青みがかった印刷や赤みがかった印刷になるトラブルが報告されました。
ノズルチェックパターンを行うと正常に印刷されます。
 原因は、カートリッジ内のインク通路に少量の空気が入り、インクがうまく出ないためのようです。
うまく空気が抜けない場合は、新しいカートリッジに変えてください。

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